函館日記

函館暮らしの日記

棒二森屋が閉店のうえ建て替えになる見込み

函館駅前の百貨店「棒二森屋」の建物老朽化が問題になっていましたが、

北海道新聞函館新聞などの報道によると、 棒二森屋のおおもとの親会社のイオン(千葉市海浜幕張)は、棒二森屋を閉店して建て替え、駅により近いアネックス(別館)跡地はホテルと低層階に商業施設、本館跡地はマンションと低層階に商業施設にする計画を示したようです。


棒二森屋」の経営会社の中合(東北地盤の百貨店会社)はダイエーの系列会社ですが、イオンが救済したダイエーを(丸紅などからも)買い取ったため、棒二森屋の経営権は間接的にイオンが握るようになりました。

しかし、棒二森屋の建物が老朽化していて耐震性が足りず、最低でも耐震補強工事が必要な状況である一方で、 棒二森屋の収益は芳しくなく、イオンは工事費用の捻出に難色を示してきました。

棒二森屋中合)は売上を増やすために、中心市街のいくつかの交差点にある音声広告*1に広告を出稿したり、昨年の「港まつり」のパレード(1日目)に都心商店街(大門商店街)と合同で参加したりしました。 また、それでも売上が伸び悩んでいるらしく、閉店時刻を1時間繰り上げることで経費を節減する方針を打ち出していました。


イオンは、アネックス跡地にはホテル、本館跡地にはマンションを建てる計画のようです。

なぜアネックスの方がホテルで、本館の方がマンションか。 それはもちろん、アネックスの方が駅に近いからというのもありますが、 おそらくは、アネックスと本館では地権者が異なるからだと思われます。

現在の棒二森屋の状況ですが、 本館は直営店舗で、アネックスはテナントです。また、本館の南側(函館山側)に駐車場の建物(ボーニパーキング)があります。この3つの建物は、ボーニパーキングと本館、本館とアネックスが、渡り廊下で繋がっています。

ちなみに、ボーニパーキングは、駐車場としても収益物件でしょうが、主には自家用車で来店する人向けですね。 日本全国の傾向ではありますが、函館は自家用車依存のかなり酷い地域です。長期積雪期(根雪)がありますから、なおさらに自家用車に依存しています。 棒二森屋函館駅前で、鉄道と電車(市電)で来られますが、それだけでは来店客はあまり見込めないだろうという判断があるのでしょうね。

さてともかく問題は、本館とアネックスでは地権者が異なることです。 ですから、アネックスはテナント貸しで、確実に売上(賃料)が上がるシステムになっている*2のだと思われます。 駅に近いという点でも、アネックスの方が優良地で、駅や電停(電車停留所)から流れてくる観光客や通勤客があります。


近年は、すこぶる景気が悪く*3、 一等地の建て替え(再開発)という話になると、高層階にマンションなどを入れる「複合型」が増えています。

高層階を分譲マンションにするとですね、マンション売り切ったら投下資本の回収が早期に可能ですね。それがミソです。 ですから、函館駅前の「キラリス」にしても、五稜郭公園前(本町)の「シエスタ」にしても、高層階がマンションなんですね。売り逃げたら勝ちです。景気が良いときは貸し有利で、いまのように悪いときは売り有利なんですよね。

だから、本館跡地は、建て替え費用の早期回収のためにマンションにする気なのでしょう。

他方で、アネックス跡地は、継続的に売上を出したいので、ホテルにする気なのでしょう。

ちなみに、駅隣接に大型バス駐車場やイベント用に利用されてきた、だだっ広い空き地(地権者はJR北と函館市らしい)がありますが、大和ハウスグループが賃借して低層階商業施設・ホテル・長期滞在施設の複合ビルを建てる計画で、いよいよ着工します。(景気が悪いからか、計画が採用されてから調べてみて「失敗した」と思ったからか、ホテルの階層を低くする計画変更を行ったために、着工が遅れました。)

日本はものすごく景気が悪いんだー、ってことがこんなところでもわかりますが、

率直に言って、こんなにあちこちでホテルだのマンションだの建てても、需要の食い合いで良いことないです。

長期滞在施設とか、「男爵倶楽部」くらいで十分で、「ホテルパコ」が「スパ&カーサ函館」を開業して大失敗して「ホテルパコ函館別亭」(つまりホテルの別館)に改めたくらいです(失笑)。

大和ハウスにせよ、イオンにせよ、おそらくは函館の地元に関して素人さんなんじゃないかな、と思います。

観光ホテルであれば、函館山寄りのいわゆる「ベイエリア」や、五稜郭公園前の方が良いです。 ビジネスホテルはすでに駅前にも五稜郭公園前にもあります。 廉価なホテルは、一等地から外れたところにもいくつもあります。 空室不足になるのは繁忙期だけです。

はっきり言って、新規のホテルを建ててよそと食い合いして潰すのではなくて、既存のホテルの建て替えに協力してほしい。

分譲マンションにしても、新幹線開業ブームに乗ってギリギリのタイミングで売り切った「キラリス」(フージャース)が勝ち逃げしたくらいのもので、これからマンションは負け組だと思います。 なにせ、人口減です。札幌でさえも、これから人口減で、マンションバブルが終わりつつあります。 函館は、大都市としては全国有数の 住みたくない 都市です。 ただでさえ住みづらい除雪体制なのが、昨冬は史上最悪の降雪量で致命的なまでに酷くなって市内が大パニックになったくらいです。

市はなんとかしようとは思っているようですが、経済の中心は内陸寄りに移ってきていて、五稜郭公園前(本町)から、さらには美原や昭和地区に移ってきています。 函館駅前や、函館山近辺(西部地区)は寂れる一方で、 市は西部地区に移住者を増やすべく計画を立てようとようやく着手するところですが、山麓の坂道は除雪問題もありますし、産業が観光と漁業と港湾と、一部IT系企業(というかNECの代理店)くらいしかありません。西部地区に住んで、駅前ならまだしも本町や美原方面に出勤するのは「本当に勘弁」と思うでしょうね。

さて、翻って、駅前の経済はどうすんだ、って話ですよね。

なにせいまだって「キラリス」(旧・WAKOデパート)の2階にテナントが埋まらずにギャランドゥですよ。

棒二アネックスにしても、無印良品が本町のシエスタに引っ越したあとはしばらくギャランドゥの危険な状況だったので、スポーツ用品店が出張販売している状態です。 山野楽器が撤退して、書店が増床して、北海道地盤レコード・楽器店の玉光堂が入って函館駅前エリアに復帰(以前は松風町電停前にあった)するなど、再編している現状です。

ちなみに楽器店はですね、いつの間にか五稜郭公園前玉光堂はなくなって、衆院選に立候補した前田某とかいうのが選対事務所にして敗けたあとがギャランドゥですし、 世界最大の総合楽器メーカーのヤマハの系列店は函館市では、本町と美原に2店舗あるのですが、本町の方は楽器販売をやめてヤマハ音楽教室だけになってしまいました。

経済縮小が著しいですね

既に有るものを生かして集約していくのが活路だと私は思うのです。

誰に騙されたのかなんだかわかりませんが、ホテルだの商業施設だの新規にポコポコ建てるのはやめてほしいですね。 ――前記以外にも、ホテルの建設計画があちこちで進んでいるんですよ(泣)。国際ホテルとか湯の川プリンスとか建て替えが進んでいますし、既存の拡張にしてほしいですよ。

函館駅前は、港と海峡のあいだが東西1キロ少々の砂州です。風がビュンビュン吹く、まさに松風(松籟)の地です。 高層建築物ではなくてですね、中低層で、余った土地を上手く活かすべきです。 本音を言って、駅隣接の空き地に棒二森屋が引っ越してほしい。

*1:これも函館特有の奇異な光景ですが、新宿とかと異なり「男と女の精力剤」(あかひげ薬局)とかは流れてきません。

*2:ちなみに、梁川町のテーオーデパートも、ダイソーや書店などのテナントが入っているほか、食品売り場もテナントに切り替えられました。テナント貸しならば借り手が客です。客(借り手)さえ付けば、客にリスクを付け替えられます。

*3:安倍政権になってから特に経済縮小と、悪質な物価釣り上げが進んでいますが、函館は新幹線開業で煽ったので一時的にミニブームで救われた程度でやっぱりズブズブ沈下中。おそらく東京の一部の地域(というか脳内?)だけ天気が良いのだと思います。