函館日記

函館暮らしの日記

〇〇管内××町

市町村と郡部

「北海道」にも、「市」のほかに「町」「村」もあります。 「町」と「村」*1が「郡」*2にあるのも同じです。

他方で、「北海道」は道州制で、「県」に相当するのは「振興局」(支庁)です。 ただ、「県」は首長公選制ですが、「振興局」は「道庁」の下部組織です。

そうすると、「町」「村」が多いのもそうですが、「郡」も多くて、町村の名を言われても何処にあるのか判らなかったり、郡の名を言われても知らなかったりということが起こります。

「管内」

そこで、「〇〇管内××町」のようにして、「振興局」の名を冠して呼ぶのが一般的です。 例えば「渡島管内八雲町」といった呼び方をします。これを「二海郡八雲町」と言われても、地元の人でなければ「フタミグンってどこ?」ってなるでしょう。 この慣例を知らずに公式な呼称である「郡」で呼んでしまうと、面倒なことになりますし、「北海道」のことをよく知らないのが露呈してしまいます。

そもそも、現在の「日本国」は「郡」に行政庁を置いていません。他方で「北海道」には地域を管轄する「振興局」があるわけですから、「振興局」を基準に呼ぶのも自然なことでしょう。

「町」「村」と異なり、「市」に関しては他の「都府県」と同じように、「北海道函館市」のように呼びます。 「市」に関しては数が少ないので、市名だけでおおよその位置が判る人が比較的多いでしょう。

「道南」と「みなみ北海道」

さて、「北海道」を4つの地域に分けて「道北」「道東」「道央」*3「道南」と呼ぶ慣例があります。 言うまでもなく、函館市は「道南」にあたります。

他方で「みなみ北海道」*4という俗称があります。

「道南」と「みなみ北海道」では何が異なるかというと、「道南」は渡島・檜山のほかに日高・胆振を含む4つの「振興局」を指すことがよくあります*5。「みなみ北海道」は檜山と渡島の2つの「振興局」(合計18市町)のみを指します。

それはそもそも、日高・胆振(日胆地域)と、渡島・檜山とでは、地理的に遠く、隔絶しているところがあるからです。 渡島と胆振が隣接していますが、境界は渡島管内長万部町胆振管内豊浦町の町境の数km程度でしかありません。*6

長万部駅函館本線室蘭本線の結節点で、函館発の普通列車も、せいぜい長万部行きがいいところで、(特急を除けば)乗換なしで室蘭方面には行けません。 その長万部すら函館市からは遠いです。それが森町ならばまだ近いという印象もありますけれど。

それに、渡島・檜山では、「市」は現在2つしかなく、その2つは函館市北斗市*7で、渡島の南側です。 ですから、人口や社会経済をみてもどうしても、渡島と胆振は遠いな、という印象があります。

しかも、「道南」の定義にはかなりの揺れがあって、ときには渡島・檜山だけを指して「道南」と呼ぶことすらあります。 安易に「道南」と呼びがちですが、実は誤解を生ずる可能性があり面倒です。

それでも、札幌中心の「北海道」や東京中心の「日本」からすると、「道南」と呼ぶのが「当たり前」ということになっていますよね。 結局のところ函館でも「道南」と呼ぶ方が一般的で、支障が起こることはそれほどありませんが、函館を出たらどうなんだとなると私はよく知りませんので気になるところです。

*1:「北海道」では、森町のみ「まち」で、他は「チョウ」、「村」は「むら」。

*2:「郡」というのは、かりに同名の「町」や「村」があっても、区別が可能なようにしているものなのです。他方の「市」は、事実上は、どの「市」も表記では同名にならないように譲り合っており、同名の「市」はありません。ちなみに以前、大阪府大阪狭山市が成立した際に、埼玉県狭山市を忘れていたのか「狭山市」と名乗ろうとして騒動になったことがありました。

*3:「道央」は、地理的中心というより政治経済的中心、つまり札幌を中央に据えています。地理的な中心に見える旭川は、「道北」にあたります。

*4:南北海道」とは書くと紛らわしいので、「みなみ北海道」と書くのが一般的です。

*5:例えば、気象情報で「道南」というと、この4つの「振興局」を指します。

*6:その町境に、鉄道ファンにはかなりよく知られている小幌駅があります。

*7:近年ようやく、大野町と上磯町が合併してできました。