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函館日記

函館暮らしの日記

函館の歌について

生活

地元では常識なのに観光客の多くが知らずに帰ってしまうであろうものに、「はこだて賛歌」があります。 ごみ収集車のBGMや、市電の電車接近アナウンスや車内アナウンスに採用されていますので、観光客でも聞いている可能性は高いのですが、特別なメロディーであることを知らないままなのだろうと思います。 函館出身のGLAYは歌うことがあるらしいので、GLAYファンならば知っているかもしれません。

函館育ちの人の多くは歌えるでしょう。 函館出身でなくとも函館在住であれば、メロディーだけではなく歌を聞く機会がどこかであるはずです。 いわば「市歌」同然の扱いです。しかし、多くの市町村歌が地元の人にしか知られない(さらには地元の人も知らない)のと同じようなもので、「はこだて賛歌」も函館の人以外にはそれほど知られていません。

函館には歌が多いです。

しかし函館以外の人は函館といわれると、函館の地元の歌よりも、函館をモチーフにした歌の方が先に出てきてしまいます。典型的には「函館の女」で、歌っている北島三郎*1はたしかに高校は函館でしたが、結局は商業的な流行歌でしょう。もっとも、そうした流行歌の多くですらも、かなりのファンでないともう知らないのでしょうけれども。

地元では定番であるにもかかわらず観光旅行では機会がないかぎり知らずに帰ってしまうであろう歌には、「はこだて賛歌」のほかに、「函館港おどり」「いいんでないかい」「函館いか踊りの3つがあります。この3つは、年に一度開催される函館港まつり*2のパレードで用いられますので*3、繰り返し聞くことになります。つまり、函館港まつりを狙って観光旅行に来た*4人には記憶に残っている歌でしょう。 「函館港おどり」「いいんでないかい」の2曲はパレードの第1部「函館港おどりの部」で、「函館いか踊り」は第2部のうち「子供いか踊り」と第3部「函館いか踊り」で用います。 とりわけ「函館いか踊り」は昭和後期の比較的新しい時代に創られたもので、極めて異色です。

さて、「函館の女」の2番には松風町(大門)が出てきますが、その大門にしてもかつて「大門音頭」という宣伝目的と思われる*5歌を創ったそうで、若かりし頃の加藤登紀子が歌っていたようです。 こうしたかたちで特定の地域でも歌が創られていることもあるはずですが、おそらくその多くは忘れ去られてしまったと思われます。「大門音頭」ですらも、ながきにわたって忘れられていて、近年再発掘されたそうです。

かつて、函館は札幌よりも大きかったわけですし、植民地「北海道」のいわば玄関口でした*6。 また、北洋漁業で荒稼ぎをしていた時代もありました。 今ではみるかげもありませんが、かつては全国屈指の勢いある街だったからこそ沢山の歌が創られたのでしょう。

残念ながら、こうした歌の数々は観光資源としてすら見いだされていないのだろうと思います。

*1:全国的には「函館の女」が有名でも、地元では「函館音頭」の方が人気があるかもしれません。

*2:開港記念という名目で毎年開催され、パレードは2日間あります。青森ねぶたとおおよそ同じ時期です。

*3:以前はほかの歌も用いられていたらしいですが

*4:交通規制があったり人が多かったりして観光名所巡りには困るかもしれませんが、珍しいものが見られますので面白いと思います。

*5:なにせ電通が制作したらしいのです。その電通は今でも「ご当地キャラ」とか「ご当地アニメ」とかであっちこっちでかんでいるみたいですが、昔からやっているんですねこういうの。

*6:例えば函館朝市も、交通の結節点だったからこそ、函館駅前に形成された市場です。津軽海峡を渡ってきた物や、函館本線で運んできた物が売られていた市場です。

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