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函館日記

函館暮らしの日記

冬に函館山からの夜景をロープウェイ以外で見に行くのは不可能

観光 事件

先日、函館山ロープウェイで、点検作業中の従業員が重傷を負い、搬送先で死亡するという事故がありました。 機械油の油滴が落ちてきたということで苦情があり、その点検を運行中に行った際の事故でした。

この事故を受けて、運行体制の見直しのため、運休が続いています。 「12月11日の人身事故に伴うロープウェイの運休のお詫び - 函館山ロープウェイ株式会社

冬の函館山は、登山道路を車両通行止にするため(積雪や凍結で登れないから)、交通機関はロープウェイしかありません。夏はタクシーやバスでも登れますが、冬の車両通行止期間中は不可能です。

冬は観光客が少なくなるとはいえ、登下山客をロープウェイだけで担うため、ゴンドラを可能なかぎり止めずに済ませたいという事情があります。利用客を待たせず回転させ続けないと困ります。 そうした事情もあいまって、ゴンドラを止めずに運行しながら点検したのだと思われます。

山頂から景色が見えるかどうかは天気次第で、見える日だけ混雑します。また、金土日は観光客が多く、いわゆる平日には少なくなりがちです*1。 だから、景色が見える&休日という好条件を観光産業は逃したくありません。

函館山から観る夜景」は、函館最大の観光資源として扱われており、ミシュランガイド☆☆☆ということで宣伝もしています。 函館の観光産業を担っている重責が函館山ロープウェイにかかっていて、サービス過剰だというところも否めません。日常生活であれば大したことのないことであっても、観光旅行だ、特別な思い出だ、新婚旅行だなんていうのも特に昔は多かったでしょう。その意識が過剰なくらいあるはずです。 機械油は臭いし落ちにくいでしょうが、安全面の支障ではありません。しかしそれでも、可及的速やかに点検にかかったわけです。

事故時に山頂に取り残された人々は、函館山ロープウェイがタクシーを呼んで、通行許可をとって、全員下ろしたそうです。全員の下山まで数時間かかったようです。

事故に居合わせるとか、山頂に取り残されるとか、利用客には悲惨な思い出になってしまったことでしょう。


さて、ロープウェイが止まった冬の函館山に登る手段は唯一、徒歩です。 しかし、結論を言えば、やめましょう

函館山には、車両用の登山道路と、徒歩用の登山道があります

車両用の方は、作業車両や、山頂に用のある企業*2が通行するため、除雪はされています。しかし、路面凍結はしているでしょうから、装備は必要で、それでも慣れない人には困難でしょう。 降雪時には積雪のおかげで歩きやすくはなりますが、雪道の素人ならばやめた方がよいでしょう。

徒歩用の登山道は、除雪がありません。 積雪や凍結による路面状態の支障だけではなく、積雪により道が判らなくなるという危険もあります。 夏に函館山登山道を繰り返し登り下りしている人ならば、道は想像がつきます。しかし、道を知らない観光客ならば、滑落の危険があります

ましてや、夕方以降の登下山は危険です。夏でも危険なくらいです。麓の近くは明治期以降に植林された杉が乱立しているため、夕方くらいから既に暗くなるからですライトを携帯しても足下が判りにくく、危険です。踏み外して滑落する可能性が高いです。

強いて言えば、夜間は車両用の登山道路を通行することが考えられます。しかし、昼でさえも歩きづらい道を夜に歩くのは極めて困難です。

ちなみに私は以前やったことがありますが、降雪中でしっかり積雪している夜を選び、車両用の登山道路を雪靴で登りました。 そんなことは、装備があって、雪道に慣れていて、道を知っている人でないと、やってはいけません。 また、作業車両等に撥ねられるかもしれないという危険があります。

極寒の山頂に一泊して明るくなってから下りるという選択肢はあるでしょうけれど、それが可能なのはおそらく雪山のプロでしょう。

よって、観光客が夜景を見に冬の函館山を徒歩で登るというのは不可能、という結論になります。

*1:平日は、国外からの観光客や、長期休暇をわざわざとっている人が主です。

*2:具体的には、函館山ロープウェイ関係車両や、(アンテナがあるので)放送局、電力会社など