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函館日記

函館暮らしの日記

アイヌと沖縄の共通点と相異点

「北海道」

アイヌも沖縄も、江戸時代以降に征服された民族です。 国家主義者(ナショナリスト)からはしばしば「純粋の日本人ではない」と言われてヘイトされてきた、迫害され社会から排斥されてきた人々です。

ただ、沖縄は薩摩藩に征服されたとはいっても、植民地にはされていません。 アイヌは、明治政府に征服され、「北海道」という植民地に改称されて奪われたわけです。江戸時代以前は「蝦夷」という蔑称で呼ばれていたものが、「日本」が吸収合併するにあたり「北海道」に改称されたわけです。

だから、沖縄人は「日本人」(やまとんちゅう)への同化を嫌うことが多いですが、 アイヌ人の多くは「日本人」(しさむ)への同化を余儀なくされてきました。

沖縄では沖縄人がマジョリティです。 他方のアイヌ人は「北海道」でもマイノリティです。同化をしないと、社会から迫害を受けます。 さらには、アイヌ人であることを恥ずかしいと思ってすらいるアイヌ人も多かったのです。

たとえ「北海道」でも、アイヌ人だということが明白な人はほとんど見かけません。アイヌ人だということをカミングアウトする人もあまりいません。 現代の都会でわざわざ昔の民族の服装で歩く不合理なことをする人は稀ですが、それでも冠婚葬祭ならば着てもおかしくないのに、まず見かけません。 氏名も「日本名」で戸籍にも載っていますから、氏名だけでアイヌかどうかもわかりません。

函館も昔は、ウスケシやシノリに和人が移住してアイヌ人と交易をしていたことから、アイヌ人が暮らしていたことは明白な歴史的事実です。 ところが、江戸時代から明治期にかけてはもう、まるで忽然と消えたのごとくに、アイヌ人の形跡が消失しています。 そして今の函館でアイヌ人であることをカミングアウトして暮らしている人々も、少ないもののいますが、そのほとんどはおそらく、「北海道内」のどこかから引っ越してきた人でしょう。

アイヌ民族も、今は先住民族として公認されてはいます。 しかし、「北海道」が植民地(「開拓地」)であることから、近現代にわたり存在すら抹消されようとしていたわけです。 この点が、沖縄民族の事情と大きく異なります。 アイヌ語アイヌ文化も、沖縄語(うちなーぐち、しまくとぅば)や沖縄文化に比べると、絶滅がより危惧されます。

なにより、アイヌ語での実名が正式な名として戸籍に載らないことが、普通に考えてビックリすべきことだと思いますよ。 沖縄は、中国文化である点では「本土」「内地」と同じですから、沖縄人としての氏名が正式な戸籍名で載りますよね、普通。

日本人はこれほどまでにアイヌをヘイトしているのに、その事実認識すら多くの人はもっていません。 だからとりわけ酷いヘイトだと思います。 究極のヘイトは、加害者に自覚がないんですよ。それこそが究極のイジメ、人権侵害というものです。